息子の独白 〜本当は期待してたんだろ?〜

物語は全編、息子の独白で進みます。
(冒頭)
「うるせえな! いつもいつも説教ばっかりしやがって! あんたに俺の何がわかるんだよ!」
まただ。この家に帰ってくると、いつもこうなる。あんたのその「正しい母親」みたいな顔が、俺をどうしようもなく苛立たせるんだ。学校をサボった? 喧嘩した? それがどうした。あんたには関係ないだろ。
「口答えするな?」 はっ、それが親の言うセリフかよ。力で押さえつけることしか能がねえのか。
……痛ぇな。本気で叩きやがったな、今。
あんたがもう一度振り上げたその細い腕を、俺はつかんだ。
総字数 約1100字